筋萎縮検査で後遺症は認定される?

交通事故

交通事故のあと、「むち打ち」と診断され、しばらくしても腕にしびれが残っている…。そんな不安な状態にある方は少なくありません。特にレントゲンには異常が映らず、「後遺障害として認められるのか?」という疑問を抱える方も多いでしょう。

今回は、その中でも「筋萎縮検査」という神経症状の評価方法に注目し、剣道などのスポーツ経験がある方にとっての注意点も踏まえて、詳しく解説していきます。

「左右の腕の太さが同じになったけど、それって後遺症と認められるの?」そんな疑問に、中村和仁が誠実にお答えします。

この記事を読むとわかること

  • 筋萎縮検査の目的と評価ポイント
  • スポーツ経験者の左右差と後遺症の関係
  • 後遺症認定に必要な証拠や検査のポイント

筋萎縮検査とは?

神経障害を見極めるための検査

筋萎縮検査とは、交通事故後に発症する神経障害のひとつである「神経根症状」や「末梢神経障害」を見極めるための検査です。主に、筋肉がやせてきていないか(萎縮していないか)を左右の腕や脚で比較しながら、外見や触診、筋力テストなどで評価していきます。

事故によって頸椎が損傷した場合、神経の働きが低下することで、その神経がつながっている筋肉に十分な刺激が届かなくなり、筋肉が徐々に細くなっていくことがあります。これが「筋萎縮」です。

検査でチェックされるポイント

筋萎縮検査では、以下のような項目をチェックしていきます:

  • 左右の筋肉量の違い(外見での差、メジャーによる周径の計測)
  • 筋肉の硬さや質感(触診による確認)
  • 筋力の差(力を入れたときの左右の違い)
  • 関係神経と筋肉の関係性(神経支配の一致を見る)

これらを通して、「この人の筋肉の萎縮は、神経の障害によって起きているのか?」を医学的に判断することになります。

元々左右差がある場合の判断基準

スポーツによる左右差は不利になる?

今回ご質問いただいた方のように、剣道やテニス、ゴルフなどの片側を多く使うスポーツを長年続けてこられた方は、腕や肩の筋肉の発達に左右差があることが少なくありません。特に利き腕が太く、握力も強いというケースは非常に多く見られます。

「事故後に左右の腕の太さが同じくらいになったけど、それって良くなったってこと?」と思ってしまいがちですが、実はこれは注意が必要なサインです。

重要なのは、「元々太かった方が、細くなってしまったのではないか?」という視点です。

事故後の変化が認められれば評価の対象に

筋萎縮検査で評価されるのは、左右差の“絶対的な差”ではなく、“事故を境に起こった変化”です。つまり、事故前と比べて、明らかに筋肉が細くなっているという「時間軸上の変化」が認められることがポイントとなります。

たとえば、事故前には握力が右20kg・左40kgだった方が、事故後に左右とも30kg程度になったとすると、「左の筋力低下=神経障害の疑い」と評価される余地があるのです。

同様に、筋肉の太さに関しても、以前は左腕が明らかに太かったのに、事故後に左右同じくらいになったという事実は、左腕の筋萎縮が進んだ結果と考えられる可能性があります。

このように、「左右差がなくなった=回復した」というわけではなく、「太かった方が細くなった」という変化こそが、後遺障害として認められるかどうかのカギになるのです。

後遺症認定に必要なものとは?

事故前の身体情報を記録・証明する

筋萎縮による後遺障害を認定してもらうためには、「事故前にはこれだけ筋肉があった」「握力にこれだけ差があった」という、事故前の状態を客観的に証明できる材料がとても重要になります。

以下のようなものが役立ちます:

  • スポーツ歴の証明:剣道の段位や大会出場歴、トレーニング記録など
  • 事故前の写真:特に腕や肩が映っている写真が有効です
  • 健康診断の記録:握力測定値や身長・体重の推移から筋量を間接的に推測
  • 日常の記録:SNS投稿や趣味活動(筋トレ日記など)も補助資料として有効

こういった資料があれば、事故後に明らかに筋力や筋肉量が低下していることが裏付けられ、後遺障害等級の認定がされやすくなります。

複数の検査との組み合わせで総合判断

筋萎縮検査だけで「後遺障害がある」と判断されるわけではありません。医師は以下のような検査を組み合わせて、神経障害の有無と程度を評価します。

  • ジャクソンテスト:神経根症状の誘発テスト
  • スパーリングテスト:頸部への圧迫による神経症状の確認
  • 感覚検査:皮膚感覚の左右差やしびれの範囲
  • 徒手筋力テスト(MMT):筋力の程度を数字で評価
  • 必要に応じて神経伝導検査や筋電図(専門医による)

これらの検査結果を総合して、保険会社や後遺障害認定機関が等級を決定します。

まとめ:事故前後の“変化”がカギ

交通事故によるむち打ち症は、見た目では分かりづらい神経症状を伴うことが多く、特に「しびれ」や「筋力の低下」は日常生活に支障をきたします。しかし、レントゲンでは異常が見られないケースも多く、「本当に後遺症として認められるのか?」という不安に苛まれる方も少なくありません。

筋萎縮検査は、そういった目に見えない神経障害を評価するための大切な検査の一つです。特に、剣道や他のスポーツによって元々左右差があった方にとっては、事故後の「変化」に着目することで、医学的な裏付けをもって後遺症の存在を証明できる可能性があります。

「左右差がなくなった=元に戻った」とは限りません。事故によって太かった方が細くなった、強かった握力が落ちた――そんな変化が、まさに神経障害の証拠なのです。

今、あなたが感じているしびれや力の入りづらさ、それはあなたの身体が発している大切なサインです。あきらめずに、信頼できる専門家に相談し、納得のいく対応を受けていただきたいと心から願っています。

私、中村和仁も、交通事故後の回復に寄り添う治療を行っています。少しでも不安がある方は、お気軽にご相談くださいね。

この記事のまとめ

  • 筋萎縮検査は神経障害の評価法
  • 左右差の変化が後遺症認定のカギ
  • スポーツ歴による筋力差も考慮される
  • 事故前後の比較資料が認定を後押し
  • 他検査と総合して後遺症が判断される

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました